コラボレーション・エンジニアの考える日々

企業での情報共有とコミュニケーションについて、ITを中心に企業コラボレーションを考えていくブログです。

Lotusphere現地レポート・オリジナル版

IBMのサイトで、日本IBM社員によるLotusphere現地レポートが公開されています。Notes/Domino系のレポートは私が原版を書いていますが、マーケティングの厳しいチェックを通って、IBM公式サイトとしてふさわしくない部分は切り落とされ、品位のある表現となっています。でもせっかく書いたので、原本をここに載せておきます。


Lotus Notes, iNotes関連
2009年は、Lotus Notesが誕生してから20周年になる。ジェネラルセッションでは、Lotus Notesの二十歳の誕生日を祝う一幕があった。また、会場では、おめでとうメッセージを書きこむボードが用意され、参加者はそれぞれの思いを書き込んでいた。「R4から使っています」というような日本語の書き込みもあり、日本からも熱狂的なファンが来ていることをうかがわせる。



Lotus Notes 8.5の機能拡張で一番強調されていたのが、Googleカレンダーを自分のカレンダーと重ね合わせて表示させる機能だ。Googleカレンダーにはプライベートの予定が入っていて、Lotus Notesには仕事の予定が入っていれば、それらの予定を合わせて表示させることで、予定のバッティングが確認できるといった使い方ができる。また、Googleだけではなく、他の人のLotus NotesカレンダーやiCal形式のフィードも対応する。そのほかにも、ドラッグ&ドロップでテキストを編集できたり、Sametimeの連絡先からメールの宛先にドラッグ&ドロップしたり、細かいところで使い勝手が良くなっている。


Lotus iNotes 8.5では、フルモードの機能拡張が目立っていた。UIで、画面がタブ形式になっており、使い勝手が良くなっていたり、Lotus Quickrと連携した添付ファイルの自動保管、Lotus Notes 8.5と同様のGoogleカレンダーとの重ね合わせ表示などが可能だ。


Lotus Domino関連
Lotus Domino関連では、8.5でのTCO削減を意識した機能拡張に注目が集まった。ジェネラルセッション後に実施された「IBM Lotus Domino: A Look Ahead」と題されたセッションには、ジェネラルセッションの巨大な会場の約半分のスペースが用意され、沢山の参加者が集まった。IDファイルをなくしたり、パスワードを忘れた場合の運用を楽にするIDボールト機能や、添付ファイルを一元管理するDomino Attachment and Object Service (DAOS) などのセッションは、人気セッションとなっている。特に、DAOS機能への関心が高く、セッション後のQ&Aタイムでは、質問マイクの前に長蛇の列ができた。


Lotusphereの毎年の人気セッション「The Top 10 Things You Didn't Know About Lotus Domino Administration」も健在だ。サーバー管理の為の様々なTipsが紹介され、参加者にはかなり好評だったようだ。ノンサポートの管理手法も飛び出し、さすがGeekの祭典、Lotusphereといったところだ。


Lotus Domino Designer関連
今回のLotusphereでは、LotusLiveの大きな発表があったが、本当に参加者の注目を一手に集めていたのは、まぎれもなく"XPages"だろう。XPagesを取り上げるセッションは、25セッションにも及ぶ。XPagesのコンセプトを、"Write Once, Run Anywhere"という言葉で開発者が表現していたように、XPagesで作成した画面は、今後、あらゆるところで再利用可能となってくる予定を出していた。単純にブラウザーで表示するだけではなく、今後は、Lotus Notesクライアントで利用できたり、Lotus QuickrのカスタマイズをXPagesで行えたり、Lotus Mashupの素材として利用できるなど、XPagesの可能性を感じずにはいられない。最も人気のセッションとなったのは、「XPages: Things You Cant Afford To Miss」だ。大きな会場で行われ、2人の開発者の軽妙なトークと共に、XPagesの可能性を見せてくれた。


特に、Lotus NotesクライアントのレプリケーターページをXPagesで簡単にWeb上に作ってみせ、参加者の驚きを誘っていた。


キャラクターを使ったファンシーなデモも面白い。


そして、「Building an XPages-Powered IBM Lotus Domino Application」では、具体的な例として、アンケート入力・集計アプリケーションを紹介していた。このセッションは、ベータ版のころからIBMと共にXPagesのリアルなサンプルを作ってきたJohn Mackyさんのセッションであり、今後、XPagesで開発を行う際に大変参考になるものであった。


開発系で毎年人気なのは、「The IBM Lotus Domino Objects:Introduction and What's New」だ。今年も、Geekの中のGeekが集い、コアなLotus Scriptの開発ネタで盛り上がっていた。8.5からのDocument.getReadメソッドが紹介され、未読・既読状態が取得できることや、ビュー操作のパフォーマンスを上げる手法が解説されるなど、開発者必聴のセッションだ。