コラボレーション・エンジニアの考える日々

企業での情報共有とコミュニケーションについて、ITを中心に企業コラボレーションを考えていくブログです。

NotesメールとiPhoneメールを同期させる方法

iPhoneからNotesメールを利用する方法は、現在は、Lotus iNotes 8.5のウルトラライトモードを利用する方法がある。Lotus iNotesは、ブラウザーでサーバーに直接アクセスするWebアプリだ。これに対して、地下鉄でもメールやカレンダーを見たい、ネットワーク経由だとパフォーマンスが遅い、などの理由で、iPhone上のネイティブアプリと同期させたいという事はある。かくいう僕もNotesクライアントを使っているときは、メールをはじめ、よく使うアプリはローカル複製して利用している、いわゆる"複製小僧"なので、モバイルデバイス上でも、ローカル複製して使いたい派なのである。僕がiPhoneで使っているRSSリーダー"Byline"も、Twitterクライアント"Fastweet","NatsuLion"も、スケジュールソフト"さいすけ"も、全部、同期タイプであり、オフラインで見たいときにさっと見ることができる。


そんな複製小僧に朗報だ。次に出てくるLotus Notes/Domino 8.5.1では、iPhoneとの同期機能が標準でついてくる。メール、カレンダー、個人アドレス帳のデータが同期可能で、それぞれ対応するiPhoneの標準アプリで操作する。故に、iPhone上にアプリをインストールする必要はない。これらのデータが数秒の時差でリアルタイムで同期してくれる。どういうことかというと、Windows Mobileデバイスと同期させる機能として、Lotus Travelerという機能が8.0.1から出ているが、そのTravelerがiPhone対応になるのだ。正確に言うと、Lotus TravelerサーバーがActiveSyncプロトコルに対応するというもの。ActiveSyncプロトコルは、サーバーとモバイルデバイス間でデータ同期させるためのプロトコルで、Microsoft社が開発・ライセンシングしている。現在、PalmやNokia S60など、様々なデバイスで実装されており、iPhoneもそのうちの1つ。つまり、Lotus Traveler 8.5.1により、様々なモバイルデバイスがLotus Dominoサーバーのクライアントとなれるのである。正式サポートという観点では、8.5.1の正式発表レターにサポート対象デバイスが載ってくるであろうから、要確認だ。


そんな期待のTraveler8.5.1だが、現在、Lotus Greenhouseで体験できる。iPhoneを持っている方はぜひお試しいただきたい。または、現在、IBMの多くのLotus営業はSoftbank様からiPhoneを8月末までお借りしているので、IBM営業にお声かけいただければ、デモやご説明をさせていただくことが可能だ。


設定は非常に簡単。その設定方法が公開されているが、英語のテキストばかりであれなんで、ここに、画面コピー付で手順を解説する。尚、Lotus GreenhouseでTravelerを使う前には、予めiNotesのアカウントを作成して、メールボックスを用意しておく必要がある。以下、順を追って手順を見ていこう。










Lotus Notes/Dominoは、これでiPhoneでのリモートアクセス、同期アクセスの2つのソリューションを提供できることになる。判断基準の一番大きなポイントは、セキュリティと利便性のトレードオフであろう。リモートアクセスはローカルにデータが残らない代りにパフォーマンスやオフラインアクセスを犠牲にする。同期アクセスは利便性は良いがデータが残るので、iPhoneをなくした時のセキュリティが心配、という具合だ。後は電池の持ちかなぁ。ActiveSyncを有効にしていると、電源を垂れ流しているかのように、残量が減っていく。使い方にもよるが、一日ぎりぎり持つか持たないかというところだ。これは、リアルタイムにサーバーと同期させるためだから仕方のないところか。電源節約のためには手動同期というオプションもある。セキュリティに関しては、Travelerは、管理者がサーバー上からリモートにあるデバイス上のデータを消去する機能を合わせ持つ。今後、この機能がiPhone上でも有効に働くのか、検証していきたいと思う。