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コラボレーション・エンジニアの考える日々

企業での情報共有とコミュニケーションについて、ITを中心に企業コラボレーションを考えていくブログです。

NotesがあるのにIBMはなぜConnectionsやQuickrを作ったのか

今、Lotus Connections 2.5が、かなりキテいる。便利だからIBM社内でも、どんどん使う社員が増えてきている。Enterprise 2.0が広がりつつある。当然、この便利な仕組みをお客様にもご提案するのだが、結構良く聞かれる質問がこれだ。


「NotesがあるのにIBMはなぜConnectionsやQuickrを作ったのか」


Enterprise2.0といっても、コラボレーションウェアであることには変わりないので、コラボレーションプラットフォームであるNotes/Dominoの上に実装するのが近道ではなかったのか、というご質問。Notes/Dominoをよくご存知の方ほど、この疑問を持たれるようだ。かくいう僕も、NotesクライアントアプリでmixiばりのSNSシステムを作っていた(社内ブログ導入記)のだから、人のことは言えない。


この答えは、"Notesでは作れない" からだ。


今のEnterprise2.0で実装されている、タグクラウド、ロールオーバーで出てくるダイアログ、画像データ(主に社員の写真)のあらゆるところへの埋め込み、などのユーザーインターフェースは、Notes/Dominoで作るのは難しい。さらに、Notesのアーキテクチャー上、アクセスログを取る実装もなかなか出来ない。


また、Enterprise2.0の特徴として、人と人とのつながり、人とデータとのつながり、データとデータとのつながりをうまく見せる仕組みがあるが、これはNotes/Dominoの文書データをベースとしているアーキテクチャー上、実装は事実上無理だ。Notes/Dominoはリレーショナルなデータの管理が苦手なのだ。


さらにいうと、スケーラビリティ。IBMのように40万人近い社員が全員同じシステムを使う、それも頻繁に、通常業務の中に溶け込んで、というのは、かなり厳しい。Notes/Dominoでスケーラブルな設計をする時は、真っ先にDBの分割をどうするかで悩むところだが、分割してどうこうなるレベルの話ではない。マイクロブログのタイムラインなんかは、分割されて非同期更新になってしまってはたまらない。



とまぁ、こんな具合だ。
しかし、だからといって、Notes/Dominoがなくなるわけではない。メールは依然として通知の役割は持ち続けるし、業務アプリをConnectionsやQuickrでやるなんて考える人はいないだろう。


今後、というか今でも、Notes/DominoとConnections/Quickrというのは、お互いに役割分担を行って、連携して動いていく。Lotus製品は多くの製品でポートフォリオを構成しているが、それらが連携して動作した時に、最大限の効果を発揮する。ここが、他のコラボレーション製品と決定的に違う部分だ。この点については、また別の機会に書いてみようと思う。