コラボレーション・エンジニアの考える日々

企業での情報共有とコミュニケーションについて、ITを中心に企業コラボレーションを考えていくブログです。

ナレッジマネジメントの壁を乗り越えるソーシャル

IBMは、年初から「ソーシャルビジネス」をキーワードにして、コラボレーションソリューションを推し進めている。ソーシャルビジネスとは、ソーシャルを活用して業績を上げていく企業のことだ。ブログ、Twitter、Facebook、LinkedIn、ソーシャルブックマーク、YouTube、Slideshare、Flickr,、などなど、ソーシャルサービスがインターネット上で正のスパイラルを起こしているメカニズムを、企業活動にも適用しようということである。


企業への適用は、社内イントラネットへの適用と、外向けWebサイトへの適用の2つに分けられる。IBMは、この2つともにソシューションを用意している。ここでは、僕が日頃から思っている社内イントラネットの話をしてみたい。


■新しいナレッジマネジメントへのアプローチ
ソーシャルというと、コミュニケーションを活性化させてイノベーションを起こすというCEO、CIOの視点で語られることが多い。これは情緒的な話になりがちなので、現場の人達に話すと「面白いね」で終わってしまうことが多いように思う。しかし、ソーシャルは、きちんとROIの出せるナレッジマネジメント(KM)への新しいアプローチとして捉えることができる。


■既存の情報共有ツールを補完して超えていく
メールだけの情報共有は、今や破綻している。毎日大量のメールが届き、処理しきれない。仕事のやりとりや情報は、個々のメールボックスに埋没し、共有されない。ファイルサーバーは、ゴミ溜めと化し、欲しい情報を見つけられない。グループウェアを入れていると状況はややましになるが、社員は自分の持っている情報を登録してくれないし、登録されたとしても探し出せない。これらを解決するのがソーシャルなアプローチだ。


■人を中心とした情報管理
情報を探せない時、現実にはどうしているだろうか?多分、知っている人に聞いていると思う。知っている人を知らなければ、知っている人を探しだそうとするだろう。人は困ったとき、人に相談する。現実世界では、問題解決は人中心だ。この人中心の考えをシステム化したのが、ソーシャルウェアだ。個人が持っている情報を可視化し、人を中心として情報を捉えられるようにする。それが、従来のファイルサーバーなどとの大きな違いになる。





人を中心として情報を管理することにより、情報の可視化(Transparent)、人と人とのつながりの形成(Engage)、情報共有スピードの加速化(Nimble)が起きる。次回は、それぞれについて見ていこうと思う。