コラボレーション・エンジニアの考える日々

企業での情報共有とコミュニケーションについて、ITを中心に企業コラボレーションを考えていくブログです。

なぜ人はソーシャルネットワークに参加するのか?

インターネット上ではTwitterやFacebookがすごい勢いでユーザー数を伸ばしている。しかし、現在、なぜ多くの企業がSNS導入に食指が動かないか、という話の流れから、最近、「人はなぜソーシャルネットワークに参加するのか」という会話をすることが多い。


僕自身の場合は、mixi,blog,Twitterは2006年頃からやり始め、Facebookは2008年頃と比較的早めだが、コラボレーションソフトウェア関連の仕事をしているので、これらはほとんど仕事。なので全然参考にならず。


Facebook上の知り合いは最近広がってきたけど、仕事関係ばかり。しかし最近、大学のJazz研サークルのFacebookグループができて、そのつながりが広がりつつある。


ある先輩がFacebookグループを作って、その年代の人達が参加。そして各年代の部長に招待が飛び、だんだん参加者が増えてくる。Facebookアカウントを持っていなくても、先輩から誘われて自分もアカウント登録する。僕を含め早くからFacebookを使っている人は点在していたけど、この先輩が現れ、集団としてまとまり、新規アカウントをとる人まで出てくる。


まるで、キャズム理論でいう、イノベーターからアーリーアダプターを経てアーリーマジョリティに飛び火する様を見ているようだった。


結局、「知り合いがやっているから自分もやってみる」、つまり、「コミュニケーション取りたい相手がそこにいるから」ということなんだろうなぁ。



さて、企業内SNSに振り返って考えてみると、社員同士は同じフロアにいれば直接会話ができる。メールや電話で連絡するのも簡単。企業内では、Facebookのような広がり方はしない。


では何故IBM社内では、企業SNS(IBM Connections)が使われているのか。1つは、みんな外出していてオフィスにあまりいないというのが大きいと思う。お互い、何をしていて、何を思っているのか、つながりたいんだと思う。「何をしていて、何を思っているのか」というのは、メールや電話に乗ることはめったにない。コミュニケーション不足になりがちな状況をソーシャルウェアで補っている。


では、コミュニケーション不足が問題になっていない企業では、ソーシャルウェアは不要か?


まぁ、不要だ。
4〜5人で膝付きあわせながらやっているところには、いらない。


しかし、100人程度の規模になってくると、自分と同じ仕事している人でも週に1回しか合わないということが起こってくる。


相手がどんな計画を考えていて、どんな資料を今作っているのか、どんな情報をチェックしているのか、あの仕事はどこまでやってくれているのか、なにか困っていて先に進まないようなことはないか・・・・。毎日顔を合わせていれば、こんなことで困らない。しかし、フロアが違うと、どうだろう。コミュニケーション不足になっているのではないだろうか。週一回会うだけでは、スピードが遅いということはないだろうか。


会えれば、「最近見たあの説明資料は良かったよ」、「いい業界情報のサイト見つけたんだ」、「ネットに出てたけど、あのお客さん、今度新しい事業をやるらしいよ」、「今度の部長、すごいカラオケ上手なんだって」など、自分では集めきれなかった情報も雑談の中で共有できる。


企業内SNSでは、特に、相手の持っている情報、チェックしているWebサイトなどが共有できる。ノーツを使っていると、よく「田中さん、優秀だよなぁ。普段、どんな情報を見てるんだろ?あの人のワークスペースを見てみたい」などという会話を聞く。企業内SNSの一面として、ノーツのワークスペースを共有する感覚、というのがある。


企業内では、「知識を持っている相手がそこにいるから」というのが、参加理由になるかもしれない。やっぱり、なんでも一人で一から作るのはしんどい。プログラミングみたいに、既にある良いライブラリーをうまく使って、自分の仕事を進められたら、残業も減るだろう。企業内SNSでもっと楽をして仕事をやりたいものだ。


コミュニケーションが活性化されて、楽しく仕事ができ、残業が少なくなる企業内SNS。良いと思うんだけどなぁ。