コラボレーション・エンジニアの考える日々

企業での情報共有とコミュニケーションについて、ITを中心に企業コラボレーションを考えていくブログです。

ちょっと待った!そのモバイル導入計画

世の中は、モバイル、ソーシャル、クラウドの流れが止まりません。その中でも、モバイルが一番導入しやすいと思います。しかし、情報システム部が勢い余ってモバイルを導入すると、後でどんでん返しを食らうかもしれません。今日は、そんなエントリーです。

 

311以降、在宅勤務の導入が盛んに検討されましたが、なかなか本格導入に至るケースは少ないと個人的には思っています。一番の障壁は、労務管理でしょう。家にいたのでは、どれくらい仕事したのか、把握が困難です。成果主義の適用が進んでいれば、在宅勤務導入のハードルは下がるのでしょうが、なかなか難しいのではないでしょうか。

 

在宅勤務導入は、ワークスタイル変革の文脈で語られます。ワークスタイル変革は、上のように、社内の労働規則、評価制度の見直し、果ては企業文化の改革までに及びます。一方、モバイルの導入も、ワークスタイル変革の1つとして捉えられています。ということは、在宅勤務導入のように、労務管理の問題を考える必要が出てくるのです。モバイルで働けるということは、家でも働けるということ。在宅勤務と同じです。

 

聞いた話では、ある企業では、社内の労働基準の関係上、メールのモバイル化で問題になったそうです。ただ、メールは早く処理したい・・・。そこで折衷案として出てきたのが、「メールを見るだけならそれは仕事をしているとは言わない。メールを出したり返信したりするのは、仕事をしていると見なす。」という基準です。なんというか、日本的ですよね…。これがモバイルメールシステムの要件に入ってきて、モバイルでは、メールを送信、返信、転送できてはならないというのです。

 

海外でも、同じようなことはあります。「デジタル残業」だなんて言って、プライベートと仕事との切り分けの問題が出てきているようです。

 

モバイル導入は、ワークスタイル変革の1つです。導入の際には、社内労働基準との整合性を見据えた計画が必要そうです。そうでないと、導入したはいいけれど、後から、「労務管理ができませんので、中止して下さい」だなんて話になるかもしれませんよ。