コラボレーション・エンジニアの考える日々

企業での情報共有とコミュニケーションについて、ITを中心に企業コラボレーションを考えていくブログです。

エンタープライズ・ソーシャル・フェスティバル2013で再認識したリスク対処の重要性

昨日2013年8月1日、Looopsさん主催のエンタープライズ・ソーシャル・フェスティバル2013が盛況の内に無事終わりました。今までオンライン上の付き合いでしかなかった人にやっと会えたり、面白いソーシャル関連のサービスをしている方々と会話できたり、なにより、新しい仲間とイベントを作り上げることに関われたことが楽しかったです。手作り感覚で、終わった時は、昔、ライブをやった時のような打ち上がり感覚でした。

様々な気付きも得られましたが、その中の1つ、CSK Winテクノロジの前田さんのセッションの中で、エンタープライズ・ソーシャル・ネットワーク(以下、ESN)のリスクについて、話されていたのが印象に残っています。これを聞いて、リスクをお客様にきちんとご理解いただくことの重要性を、僕はまだまだ甘く見ていたのだなぁと思ったのでした。

 

さて、質問です。下記2つのどちらかを選べる場合、みなさんだったら、どちらを選ぶでしょうか?
  a. 50%の確率で100万円もらえる。
  b. 5%の確率で1億円もらえる。

手堅く a を選ぶ人もいるでしょうし、一発人生逆転狙いで b を選ぶ人もいるでしょう。また、冷静に期待値を計算して、b を選ぶ人もいるかもしれません。

 

では次の質問です。以下2つを選ばなければいけない場合、どちらを選びますか?
  a. 50%の確率で100万円損
  b. 5%の確率で1億円損

 

 

今度はほとんどの人が b を選んだのではないでしょうか。期待値を計算すると、a は50万円の損、b はなんと500万円の損です。それにも関わらず、人は b を選択してしまいます。リスクの話となると、過剰に反応してしまい、とにかくリスクは避けたいと感じて冷静に判断できなくなります。

 

前田さんは、このような質問を参加者にぶつけて、リスクを乗り越える難しさを説明されていました。(正確に覚えていないため、質問中の金額や表現、解説は、僕なりの理解で記載していますので、前田さんのセッション中の表現とは違います)

 

僕は今まで、ESNのメリットを説明してきた中で、お客様からリスクに関するご質問を沢山いただきました。「炎上しないか?」、「セキュリティ漏洩にならないか?」、「社員が遊んでしまわないか?」、その他多数。もちろん、1つ1つお答えしてきました。そして最後にはこう言っていました。「メリットとリスクを冷静に天秤にかけてください」。これじゃあダメなんだなぁと前田さんの話を聞いて思ったのでした。

 

これからは、ESNのメリットを訴求する一方、同じくらい力を入れて、リスクの方も説明して、対処できるものなのだということをご理解いただく必要がありますね。ソーシャルにしろ、クラウドにしろ、新しい価値を受け入れてもらうのは、理屈じゃない部分もあると、今回、学んだのでした。