コラボレーション・エンジニアの考える日々

企業での情報共有とコミュニケーションについて、ITを中心に企業コラボレーションを考えていくブログです。

社内SNSを活性化するためにテクノロジーができること

社内SNSが使われない、というのはよく聞く話です。ではどうするか?世の中の識者の意見を見ていると、共通して言われているのは「社内SNSは業務にからめて使う」ということです。

 

社内SNSという場を立ち上げただけでは、何も起こりません。社内SNSFacebook, Twitterと違うのは、業務だという点です。社内SNSだけがポツンと存在しても、業務と連携しなくては、社員はどう使ったらいいのか戸惑うばかりです。

 

業務に使うために、「こう使いましょう!」といって、社員に活用方法をガイドしていくのは良くやる活性化策です。ただ、そのガイドに耳を傾けてくれる社員はどれほどいるでしょうか…。

 

Salesforce Chatterは、業務とからめて使うために、業務システムと完全に統合しています。以下のようなイメージです。

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例えばSFAアプリケーションの場合、商談情報を管理するレコードの上で、その商談のセールスチームのメンバーがChatterで会話できるということです。商談レコードの上にSNSがあるので、商談に関するやりとりをここで行うんだな、というのは社員にはすぐわかります。メールなどは使わず、商談レコードの画面ですべて行えます。あとからやりとりを確認するときにも便利です。利便性が高くなるんです。

実際の画面は以下の様なものです。

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もちろんChatterは、レコード上のChatterだけでなく、普通のタイムラインもあります。レコード上のやりとりは、そこに統合されて表示されます。

 

このChatterの会話は、商談レコードにアクセス出来る人しか見れません。業務システムのセキュリティ設定とChatterが連動しているんですね。社内SNSはオープン、オープンと言っても、そこは業務。セキュリティ制御が必要です。Chatterであれば、自動的に適切なセキュリティが効いてくれます。

 

前回のエントリー「強い情報共有」で、Salesforceの情報共有は顧客に紐づいていることを説明しました。それは社内SNS上でのやりとりも同様です。CRMの考え方が、社内SNSも包含して実装されているんです。そして、SalesforceはForce.comというPaaSを提供していて、CRM/SFAに限らず、いろんなアプリケーションを構築できますが、そこでも、Chatterとの統合は上記とまったく同じように可能です。それも開発不要。クリックだけで業務と社内SNSが統合できてしまいます。

 

業務システムとの統合、これがChatterの最大の特徴です。現時点では、私の知る限り、他の社内SNS製品で業務システム統合ができているものはありません。製品の生い立ちが違うからでしょうか。普通は、グループウェア、メッセージングなどの純粋に情報共有を目的とした製品延長線上に社内SNS製品が作られます。しかし、Salesforceの場合は、CRMが軸になっています。他製品が情報共有をその生い立ちとしているのに対し、Chatterは業務アプリケーションから生まれてきたと言えます。

 

 

さて、ここまで書いてきましたが、それでもなお、社内SNSを活性化させるためには、なんらかの活性化策は必要です。テクノロジーだけでは、片手落ちです。しかし、テクノロジーにできることは最大限活用すれば、社内SNSの定着率は大幅に高まるでしょう。