コラボレーション・エンジニアの考える日々

企業での情報共有とコミュニケーションについて、ITを中心に企業コラボレーションを考えていくブログです。

大規模停電前に本当に起こった社内のスマートなコラボ

昨日の夕方、大規模停電の可能性があるとの報道があった。すぐさま帰宅された方々は多いことだろう。僕はその時、震災支援用のLotusLive無償提供プログラムの受付対応当番として社内にいた。この当番をこなすのに社内にいる必要はなかったのだが、別件があり、たまたまオフィスに出勤していた。


そこへ大規模停電の情報が流れた。帰宅難民化して6時間かけて徒歩で家に向い、子供達を迎えに行ったあの日を思い出し、早く帰りたかったが、当番だから仕方がない。そんな状況をIBM社内のLotus Connectionsのボード(いわゆる社内Twitter機能)につぶやくと、自宅勤務していた同僚がすぐさま「代わりましょうか?」と返事をくれた。



この後、Sametimeのインスタントメッセージでこの同僚に確認をとって当番の調整を行い、無事、僕は帰宅の途につけたのだった。



IBMは、ソーシャルウェアをビジネスに活かすソーシャルビジネスを推進しており、このソーシャルビジネスには、Engage(つながる)、Transparent(どこでも誰とでも)、Nimble(迅速に)、という3つの特長があると言っている。なにげなくつぶやいた事に遠隔地(Transparent)にいる同僚が反応してつながり(Engage)、インスタントメッセージングですばやく(Nimble)仕事の調整が進む。まさに、このソーシャルビジネス的行動がなされたというわけだ。


この例は、仕事の調整に役立つというソーシャルビジネスの1つの面が出た格好だ。ワークライフバランスを実現する上で、多能職という考え方があるが、それを実現する上で必要なチームワークを支援するものだ。多能職については、毎日jpの「働くナビ:ワーク・ライフ・バランスの行動計画策定が中小企業でも4月から義務化」という記事の中で、東レの渥美由喜氏が以下のように述べられていることが引用されている。

東レ経営研究所の渥美由喜研究部長は「中小の要員不足の問題は深刻だが、複数の仕事をこなせる多能職の人材を増やせば対応できる。WLBの導入で労働と生活の質が高まり、業績を急回復させる企業も多い」と強調する。経営者が従来の発想を思い切って転換できるかが浸透のカギになりそうだ。


今回の震災で、日本ではますます働き方の改革ということにトップダウンで取り組まなければならないと思う。それには、在宅勤務もそうだが、こういったソーシャルな要素も検討にいれていくべきであろう。