顧客とつながる、パートナーとつながる外向けサイトの作り方
これだけ世の中が ”デジタルマーケティング” だとか ”顧客エンゲージメント” だとか言われていても、会社情報や自社商品情報の一方的な発信のみの外向けWebサイトだけしか持っていない企業は多いでしょう。
お客様をつなぎとめておき、自社のファンになってもらうには、双方向である必要があります。社内のサポートメンバーなどとコミュニケーション出来る仕組みは、うまくすると、顧客ロイヤリティの向上につながるでしょう。
また、代理店などのパートナービジネスをされている場合は、パートナーと一緒に仕事を進めていく仕組みが必要です。いわゆる Partner Relationship Management というやつですね。この場合、社内の営業管理アプリケーションと統合されていないと、パートナーを孤立させてしまうシステムが出来上がってしまいます。
つまり、これからの外向けシステムは、社内の社員や業務アプリケーションを外とつなげることが必要となってくるのです。
Salesforce Community Cloudは、このための仕組みを提供します。
社内では、SFAやForce.com上のカスタムアプリケーション、そしてChatterでのコラボレーションが行われていますが、これらアプリケーションやコラボレーションを、Community Cloudによって、外のユーザに開放してセキュアに使ってもらうことができます。つまり、Community Cloudは、社内の仕組みを社外へ拡張するための仕組みなのです。(下図)
Salesforceの超強力な仕組みを、外向けサイト構築に使えるのですから、これは強力です。
Force.comでのアプリケーション開発は、他にはないスピードで行えます。(参考エントリ:SalesforceのPaaSが普通のPaaSではない理由) これは、アジャイル開発には特に有効で、外向けシステムのように、お客様やパートナー様の反応を見て、どんどんサイトを進化させることが必要な外向けサイト構築にはピッタリです。
Salesforce Chatterは、業務アプリと連携できるのが特徴で、だからこそ社内SNSが活性化しやすくなります。(参考エントリ:社内SNSを活性化するためにテクノロジーができること)ファンサイトなどを活性化させるのはかなり難易度の高い仕事ですが、Chatterであれば、外向けコミュニティの活性化にも効果を発揮します。
PonoMusic様は、そんなCommunity Cloudをうまく活用されたお客様です。
PonoMusicは、ニール・ヤングが立ち上げたサイトです。彼は、世の中の音楽がMP3音源であふれ、人々の耳が本来の音源が持つ音から劣化した音に慣れてしまっていくのを危惧していました。そこで、本物の音楽を知ってもらうために、自らハイレゾリューションのミュージックプレーヤー「Pono Player」を作り、このサイトで販売し、世の中に広めようとしています。
こういう新しい取り組みを広げるために効果的なのが、ユーザコミュニティですね。ファンを作り、コミュニティを活性化させ、盛り上げていくのが、サービスを広げていくのにものすごく重要です。PonoMusicは、商品情報とChatterを融合させて、ユーザの会話を活性化しています。まさに、過去エントリ「社内SNSを活性化するためにテクノロジーができること」で言った、アプリケーションとコラボレーションの統合を、B2Cのユースケースで実現しています。(下図)
さて、このCommunity Cloud、名前のせいか、Chatterを使ったサイト構築ツールと誤解されやすいのですが、Community Cloudは、別にChatterを使わなくてもいいです。業務アプリケーションを外に公開する目的だけで利用するケースも沢山あります。アソシア様の事例がまさにそうで、保険代理店業務をCommunity Cloudで行っていて、年間1000万円のコスト削減になっているそうです。
Community Cloudは、今度のセールスフォースのビッグイベント「Salesforce Summer」で、私がプレゼンを務めるブレークアウトセッションでもご紹介します。このブログエントリで少しでも興味をもっていただけたら、是非、足を運んでいただけたら嬉しいです!