コラボレーション・エンジニアの考える日々

企業での情報共有とコミュニケーションについて、ITを中心に企業コラボレーションを考えていくブログです。

WindowsエクスプローラーからIBM Connectionsを使う!

IBM ConnectionsのWindows用プラグインがLotus Greenhouseにリリースされました。このプラグインをインストールすると、Windows ExplorerからIBM Connections上のファイルにアクセスできるようになります。ダウンロードはこちらからどうぞ。


早速インストールして試してみましたのでご覧下さい。



ソーシャルウェアは新しいツールなだけに、ユーザーへ浸透させるのが一苦労だと思います。それが、日頃使い慣れているメールクライアントやWindowsエクスプローラーから操作できれば、エンドユーザーにとってはかなりハードルが下がるのではないでしょうか。


またIBMは、"Social Everywhere"と言って、いろんなツール、いろんなデバイス、いろんな業務アプリケーションからソーシャルの機能を利用・活用できるようにする戦略を取っています。ノーツクライアントやOutlookクライアントとの統合、ポータルとの統合、SharePointとの統合、そして今回のWindowsエクスプローラーとの統合というように、だんだん統合を進めてきています。今年はさらにもっといろんな統合が進むはずですので、ご期待ください!


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Lotus Notes/Domino 8.5.3からIBM Connectionsが無料で付いてくる?

Lotus Knows EXPO 2011東京での僕と平塚のセッションで、時間切れで言えなかった重要なことがある。One More Thingでお伝えしようとしていたそれが、このタイトルの発表情報だ。


これは真実である。


正確には、IBM Connectionsの沢山ある機能のうち、Profile機能とFile機能の2つがライセンス無料で利用できるというものだ。


世の中には、使いやすそうなつぶやき機能と簡易的なファイル共有機能を組み合わせて、ソーシャルウェアですと言って売られているものがある。しかし、ノーツユーザーは、それらを買う必要はない。IBM Connectionsの真にソーシャル化されたプロフィール機能とファイル機能を無料で利用できるようになったのだ。


実際、この2つの機能は、Connectionsの中でも最も利用するものだ。無料バンドルなんかしちゃって大丈夫なのかとIBM社員ながら思ってしまう。IBMとしては、この2つの機能でコミュニケーションを活性化し、情報共有をさらに進めていただいたあとは、有料のコミュニティ機能、ToDo管理機能、アイデア共有、ブログ、Wikiなどを利用していただきたいと考えている。コミュニケーションや情報共有の活性化だけでは、業務改善・改革には足りない。SNSの場で共有されたアイデアや問題意識を、仕事として回して実現していく仕組が必要であり、それらはシームレスにつながっていることが望ましい。


問題は、これを導入したところで、社員が使ってくれるかということだ。普段はノーツクライアントを使いながら、ブラウザーを立ち上げてConnectionsに行って・・・・などとやってくれるか? ツールが別々だと、手数が多いなどと思われて、面倒に思われてしまう。結局、今までどおり、メールにファイルを添付して送って、そのファイルはメール送受信者のメールボックスに埋没し、共有されることなく、情報の墓場行きとなる・・・


この問題は、普段使っているノーツクライアントに、Connectionsの機能を統合してしまうことで、ある程度解決できる。


以下の2分42秒の動画をご覧頂きたい。ノーツクライアントから、つぶやきを確認したりつぶやいたり、ファイルをアップロードしたりリンク貼付けしたり出来る様子がデモされている。




メールは無くなり、SNSへと移行するなどと世の中で言われることがある。僕もある程度はそうなると思うが、完全にメールがなくなるとは思わない。今後は、メール、SNS(といっても機能は沢山あるが)の機能が解体され、それぞれの良い機能だけが抽出されて、1つのツールへと統合されていくのではないかと思う。


この動画で見られるものは、その未来のコラボレーションツールへの第一歩なのだ。


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IBM Project Vulcan とは

プロフィールにタグをつけるモチベーションとは?

先日、Lotus Knows EXPO 2011東京が終わった。
僕と平塚のセッションは、時間が押して最後の方はまくし立てた上、One More Thingを話せず。。。


セッションでは、コンテンツのレコメンデーションの話とデモをしたが、実はこの中で、プロフィールへのタグ付のモチベーションの話もしたかった。


IBM Connectionsでは、自分や他人のプロフィールにタグを付けられる。他の製品によくあるプロフィールページは、自己紹介的な入力フィールドはあるが、入力が面倒で、結局、入力されないままになりがちだ。そこをタグで簡単に自分を表すことができるようになると、入力率は上がってくる。しかし、それでも多分、エンドユーザー自身がよろこんで入力するということはないだろう。


ところが、IBM Connectionsではプロフィールに付けられたタグをベースに、コンテンツをレコメンデーションしてくれる。自分に、自分の業務を表すようなタグを付けておけば、自然と自分の業務に必要な情報が入ってくるというわけだ。これならば、エンドユーザーは自分の為に自分のプロフィールにタグを付けるようになるのではないだろうか。


セッション中に使ったデモをYouTubeにアップした。セッション中には述べられなかったタグ付のモチベーションを説明するコメントを入れてみたので、是非、この1分47秒の動画をご覧頂きたい。




プロフィールにタグが付けられるようになると、他の人が、スキルを持った人を探すのにタグから検索できるようになる。KnowWho効果が出てくるのだ。それも、情報システム部、情報企画部、人事部などがトップダウンで一生懸命プロフィールの充実をさせようとがんばらなくてもいい。エンドユーザー自身が自分自身の為に勝手にタグ付けを行うようになる。


ボトムアップで情報が自然とアップされて整理されていく。これがソーシャルの良さの一面だ。

大規模停電前に本当に起こった社内のスマートなコラボ

昨日の夕方、大規模停電の可能性があるとの報道があった。すぐさま帰宅された方々は多いことだろう。僕はその時、震災支援用のLotusLive無償提供プログラムの受付対応当番として社内にいた。この当番をこなすのに社内にいる必要はなかったのだが、別件があり、たまたまオフィスに出勤していた。


そこへ大規模停電の情報が流れた。帰宅難民化して6時間かけて徒歩で家に向い、子供達を迎えに行ったあの日を思い出し、早く帰りたかったが、当番だから仕方がない。そんな状況をIBM社内のLotus Connectionsのボード(いわゆる社内Twitter機能)につぶやくと、自宅勤務していた同僚がすぐさま「代わりましょうか?」と返事をくれた。



この後、Sametimeのインスタントメッセージでこの同僚に確認をとって当番の調整を行い、無事、僕は帰宅の途につけたのだった。



IBMは、ソーシャルウェアをビジネスに活かすソーシャルビジネスを推進しており、このソーシャルビジネスには、Engage(つながる)、Transparent(どこでも誰とでも)、Nimble(迅速に)、という3つの特長があると言っている。なにげなくつぶやいた事に遠隔地(Transparent)にいる同僚が反応してつながり(Engage)、インスタントメッセージングですばやく(Nimble)仕事の調整が進む。まさに、このソーシャルビジネス的行動がなされたというわけだ。


この例は、仕事の調整に役立つというソーシャルビジネスの1つの面が出た格好だ。ワークライフバランスを実現する上で、多能職という考え方があるが、それを実現する上で必要なチームワークを支援するものだ。多能職については、毎日jpの「働くナビ:ワーク・ライフ・バランスの行動計画策定が中小企業でも4月から義務化」という記事の中で、東レの渥美由喜氏が以下のように述べられていることが引用されている。

東レ経営研究所の渥美由喜研究部長は「中小の要員不足の問題は深刻だが、複数の仕事をこなせる多能職の人材を増やせば対応できる。WLBの導入で労働と生活の質が高まり、業績を急回復させる企業も多い」と強調する。経営者が従来の発想を思い切って転換できるかが浸透のカギになりそうだ。


今回の震災で、日本ではますます働き方の改革ということにトップダウンで取り組まなければならないと思う。それには、在宅勤務もそうだが、こういったソーシャルな要素も検討にいれていくべきであろう。

Lotus Connections 3.0はIBM Project Vulcanを実装か

先日、IBMの企業向け統合ソーシャルソフトウェアであるLotus Connectionsの最新バージョン3.0が発表された。そして、そのデモビデオがYouTubeにアップされている。



メジャーバージョンアップなだけに、大小様々な拡張がなされているのだが、一番目を引くのは、ソーシャルネットワークアナリティクスで実装したというレコメンデーション機能だろう。デモを見ていただくと分かるのだが、自分に関係しそうな情報(ファイル、他の人がブックマークしたURL、コミュニティ、etc)を画面の端に表示してくれたり、プロフィール画面では、Facebookさながらに人をレコメンドしてくる。これは、自分につけられたタグや過去にマークしたファイルなどの情報や自分とネットワークでつながっているユーザーをベースに分析して出しているようで、同時にレコメンドした理由というのが表示される。理由というのは、同じタグを共有しているとか、所属組織が近いとか、同じコミュニティに参加しているとか、そういうことであり、結構、いろんな指標で判断しているようだ。2010年の初めに、IBMは、IBM Project Vulcanという、製品拡張の方向性を示した4つの柱(Convergence, Innovation, Continuity, New Opportunities)のビジョンを発表したが、その柱の1つである、"Innovation"では、まずはソーシャルネットワークアナリティクスを実装すると言っていた。それが早くも現れてきたという形だ。もっとも、これはまだまだ序章であり、今後数年の間に、社内ソーシャルグラフを活用した機能が出てくるに違いない。



さらに、新着情報の通知の仕組みも進化している。Connections内で起こっている事、つまり、誰がどんなコンテンツを追加・更新したのか、だれが自分のコンテンツにコメントしたのか、誰と誰がネットワークでつながったのか、等の情報で自分に関係のあるものを通知してくれる。これも、IBM Project Vulcanの柱の1つの"Convergence"を実現する実装の形だ。Convergenceとは、統合という意味だが、これには複数の意味があり、ユーザーインターフェースの統合、データの統合、クラウド・オンプレミスの統合、モバイルデバイスを含めたユーザーエクスペリエンスの統合、などがある。自分に関係する新着情報を1画面で見せてくれるというのは、まさにIBM Project VulcanのConvergenceだ。先日、Cognos 10の発表があり、Lotus Connectionsとの連携が話されていたが、今後、BI上での気づきがConnectionsにフィードされてくるという形が出来上がっていくのだろう。IBM Project Vulcanの思想に則っていくとすれば、もう1つの柱である"New Opportunities"により、今後どんどんAPIが公開されていくはずだ。そうすると、基幹システムをはじめ、様々なシステム上の情報がConnections上にフィードされてくる。いわば、基幹システム連携したFacebookと言ってもいいかもしれない。SalesforceのChatterがそうであるように、今後のコラボレーションソフトは、業務アプリとの連携が求められてくる。結局、仕事は人と人のつながりで行われる。であれば、そこをシステムで補完・加速させようというのは自然な流れであろう。そこでのIBMの強みとは、オープンであり、クラウド・オンプレミス問わずに、様々なシステムと連携できるという点になってくるのだと思う。