コラボレーション・エンジニアの考える日々

企業での情報共有とコミュニケーションについて、ITを中心に企業コラボレーションを考えていくブログです。

Travelerサーバーのパフォーマンス

去年末に実施した Lotus Technical Update Workshop のアンケートを見返していたら、スマートフォンとの連携のセミナー実施要望が目立って多かった。また、今日目にした Nielsen のデータをはじめ、スマートフォンの勢いが凄いという情報が良く出回っている。企業内でのスマートフォン利用のニーズは確実に高まっている。


ノーツもWindows MobileやiPhone、iPad、Androidに対応していて、Lotus iNotes ウルトラライトモードによるリモートアクセスと、Lotus Notes Travelerによるデータ同期アクセスの2種類の方法が提供されている。


ちょっと前の記事だが、"IBM Lotus Notes 8.5.2 Traveler performance"という記事が公開されていて、Travelerサーバーのパフォーマンス測定結果レポートが載っている。その中から、Travelerの導入を検討されている方に参考になるであろう情報を以下に抜粋してみた。


■64ビットOSを選択する
Travelerは、メモリをよく消費するタイプのサーバーだ。故に、より広いメモリ空間を利用できる64ビットOSを選択する方が望ましい。しかし、Linuxの場合は、Travelerを載せるDominoサーバーが32ビットしか対応していないので、OSが64ビットだとしても、Travelerサーバーとしては32ビットを選択せざるを得ない。ただ、OSが64ビットだと、Travelerサーバーは3GBまでメモリを使えるようになるので、64ビットOSを選択することに変わりはない。


■Windowsサーバーの場合は最大同時アクセスユーザーは2,500ユーザー
この場合、CPU使用率は66%になるので、結構ぎりぎりだ。想定ユーザー数は余裕をもった方がいいだろう。


■Linuxサーバーの場合は最大同時アクセスユーザーは1,500ユーザー
32ビットというのが制限として働いてしまって、Windowsの場合よりも下がっているのかもしれない。将来、Linux上でも64bit版Dominoがサポートされれば、Windowsと同等のパフォーマンスが出せるだろう。


■CPUは高スペックなものが求められる
この記事の中では、3.2GHZのデュアルコアを4つ積んだモデルでベンチマークされている。これで、Windowsの場合で最大2,500同時アクセスユーザーで、CPU使用率66%である。普通にメールサーバーとしてDominoを使うよりも、随分とCPUを使うイメージだ。


■iPhoneの方がややスケーラビリティが低い
これはWindowsのケースなのだが、Windows Mobileが2,500同時アクセスユーザーなのに対して、iPhoneは1,500同時アクセスユーザーだ。Linuxの場合は、WMもiPhoneも1,500同時アクセスユーザー。iPhoneの場合、WMやSymbianとは違う自動同期方法を取るので、それが影響しているようだ。64ビットを生かしきれていないというのも、もしかしたらあるのかもしれない。


■規模の拡大にはスケールアウトで対応
同時アクセスが3,000とかになると、2台のTravelerサーバーでユーザーをさばく構成にする。さらに増えれば、Travelerサーバーをさらに増やす。



この記事でベンチマークに使ったシナリオは、かなり使い込んだ利用をするものだと思う印象だ。実際の利用形態においては、もっと多くの同時アクセスユーザーを収容できるだろう。また、8.5.1と8.5.2の比較が出ているが、特に、Appleデバイスの場合のCPU使用率において、53%から40%に削減されていて、良く改善されている。今後のリリースアップでさらに改善されることを期待したい。