コラボレーション・エンジニアの考える日々

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ROIを高める開発環境の6つの特長

Ed Brillのブログで、IBMが"Six capabilities of a development platformthat deliver a greater return on investment"と題したホワイトペーパーを出しているのを紹介している。この中で、コラボレーションアプリケーションを作る上でのノーツの開発実行環境のアドバンテージを説明しているのだが、よくまとまっているので、ここに僕の私見を加えてサマリーしてみた。


1. All In One
ノーツは、いわゆるAll In Oneなシステムである。Dominoサーバーをインストールすれば、セキュリティ、クラスタリング、メール、ユーザーディレクトリ、ワークフロー、データストレージ、全文検索などなど、コラボアプリに必要な機能を用意してくれる。これが、開発効率を上げ、サーバー運用を簡略化してくれる。他のシステムが、いろんなサーバーを組み合わせて実現しているのとは対照的である。これは、ライセンスコスト、運用の複雑さ、問題判別の難しさにつながってしまう。


2. オープンな開発環境
ノーツの開発クライアントである Domino Desinger は、8.5 からEclipse上に実装されている。世の中に転がっている多くのプラグインを利用して拡張し、使いやすく、開発効率を上げることができる。この点は他の開発プラットフォームでも同じだが、ノーツも同じレベルでオープンなんだと言いたかったのだろう。


3. コードの自動生成
DominoでWebアプリを作る時は、基本的に UI 部品をドラッグ&ドロップして開発する。それがHTML、JavaScript、CSSへと自動変換される。また、すぐ使えるテンプレートが用意されているので、それをベースに自社用にカスタマイズして使う事が可能だ。製品標準のテンプレート以外にも、OpenNTFで無料の魅力的な機能をもったアプリが利用可能だし、最近では、アクロス様が DomTeM というサイトを運用されていて、ノーツのお客様間で、日本語テンプレートの共有を実現している。


4. 展開の容易性
1つのアプリを、リッチクライアント、Webブラウザー、スマートフォンでアクセスできるような開発が容易だ。コラボレーションアプリの場合、特にモバイルサポートは、使ってもらうためには重要だ。iPhoneを買ったとたん、Twitterへの依存度が高まったというような方は多いと思うが、そういう方々は実感して頂けると思う。


5. 既存アプリ資産のUI改善
10年前に作ったノーツアプリでも、XPagesで UI を追加すれば、最新の Web 2.0 アプリに生まれ変わる。10年も使ってきたアプリだ。有用性はその利用期間が物語っている。捨てるのはもったいない。リフォームしてこれからも快適に使いたいものだ。


6. コラボ要素の追加
既存のアプリに、Lotus Sametime の在席確認やインスタントメッセージの機能を本当に簡単に追加できるし、最近では、企業SNSシステムである Lotus Connections と容易に連携できる。メール、カレンダー、文書共有は勿論、リアルタイムコラボレーション、ソーシャルといった要素を統合して、コラボレーションのシナジー効果を出す環境が本当に簡単に作れてしまう。



このホワイトペーパーの中では、ちょうど今から一年前に起こったハイチ地震でのノーツの活躍を紹介している。ある保険会社で、ハイチ地震の被災者への寄付を社員から集めるのにノーツでアプリを作ったのだが、地震発生から2日後には600人の社員から寄付を集められたというのだ。そうすると、開発自体は1日だろう。ノーツ開発の良さが実証された良い例になっている。


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