WebアプリケーションサーバーとしてのDominoのアドバンテージ
以下は、8.5から提供された新機能が、コラボレーション用Webアプリケーションサーバーの全体機能のうち、どのように位置づけられるかを示したチャートだ。
DominoのWebサーバー開発実行環境は、8.5のXPages登場で大きく進化した。いわゆるWeb2.0的なデスクトップアプリケーションかのような操作性を持つユーザーインターフェースをXPagesで簡単に作れることは、お客様、パートナー様の注目を集め続けている。
ただ、ユーザーインターフェースに焦点が集まり過ぎて、サーバー上で動くアプリケーションプログラムの話にはなかなかならない。実は、XPagesではサーバーサイドロジックをJavaScriptで書くことができる。これは大きなアドバンテージだ。
まず1つ。Webアプリ開発の言語を統一できること。世の中、ライトウェイトな言語が人気だ。Perl、PHP、Python、Ruby、などなど、簡単に書けるスクリプト言語がもてはやされている。ただ、これらの言語でサーバーサイドのロジックを書くときも、クライアントサイドのロジックはJavaScriptで書く。これがサーバーサイドもJavaScriptで書けるとなると、開発がよりシンプルになるだろう。
2つ目には、開発者の確保が容易なことだ。クライアントサイドは必ずJavaScriptが用いられるので、JavaScriptのプログラマーならば沢山いるのだ。
さらに、Dominoであれば、@関数をJavaScriptと組み合わせて使える。Notes/Dominoは開発の生産性の高さで評価を頂いているが、その要因の1つは、@関数だ。昔は、総務のアルバイトのお姉さんがお手軽に備品貸し出し管理アプリなんかを作っていが、それくらい簡単だ。Excelの関数を使うのと同じ程度のスキルでできる。
サーバーサイドJavaScriptは、GoogleもGoogle App Engine上の開発言語として採用を始めている。また、HTML5の登場で、今後、Webアプリに限らず、デスクトップアプリケーションを含めて、HTML,CSS,JavaScriptで書くような時代がすくそこまで来ている。
サーバーサイドでJavaScriptが使えるWebサーバーは数少ない。だから今、それはDominoのアドバンテージになっている。しかし、他のWebサーバーもすぐサーバーサイドJavaScriptを実装してくるだろう。その時には、Dominoはさらに一歩進んだWebアプリサーバー実行開発環境になっているに違いない。そのあたりは、来週から始まるLotusphere 2011で垣間見えるかもしれない。僕は結局、行くことになったので、そのあたりも含めて、見てくるつもりだ。
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