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コラボレーション・エンジニアの考える日々

企業での情報共有とコミュニケーションについて、ITを中心に企業コラボレーションを考えていくブログです。

SalesforceのPaaSが普通のPaaSではない理由

Salesforce

最近思うのですが、ブログのタイトルに「〜のたった1つの理由」と書かれているのが沢山あるけれど、その理由が、よく読んでもボヤけていてよく分からないものが多いなと思いませんか?自分自身のブログがそうならないように、最初に答えを書いておきます。

 

SalesforceのPaaSであるForce.comは、どの業務アプリでも使うであろう汎用的な部品を最初から持っているので、普通のPaaSではないんです。だから、開発スピードが圧倒的に速いということなんですね。

 

私がまだSalesforceに転職してきたばかりでForce.comの研修を受けに行った時のことです。Force.comはPaaSだと思って講義を聞いていたのですが、パラメータに、「会計年度」とか出てくるんです。PaaSですよ?PaaSって、作ったプログラムを動かす実行環境ですよね?IT臭漂うパラメータがずらりと並んでいると思うじゃないですか。なのに、「会計年度」。

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これを最初に見て、私は理解しました。「ああ、Force.comは業務アプリを作るのが超得意なPaaSなんだな」と。

 

これだけじゃありません。フィールドのデータ型に、「自動採番」というのがあるんです。もうこれ、業務システムで普通に作る機能じゃないですか。作らなくても、もうあるんです。それも、データ型として実装されている…。

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Force.comでは、セキュリティの設定も業務アプリ的です。

 

いわゆるACLの話なんですが、普通、ACLって、データベースがまずあって、そこにこのユーザーにアクセス権を付けるって設定しますよね。あくまでもデータベース中心、システム中心。

 

Force.comではどうやるかというと、まずユーザープロフィールがあって、このプロフィールを持つユーザは、これとこれとこれにアクセスできるって設定をするんです。ユーザプロフィール中心、業務中心。

 

その他、ワークフローエンジンは標準で組み込まれているし、レポートやダッシュボードもプラットフォームの機能の1つ。最近だとモバイル対応も必須でしょう。社内SNSのようなコラボレーションも業務システムと連動すべきです。Force.comは、これら連携業務システムに必要な一般的な機能は、もう最初から用意してくれています。

 

これを図にしたのが下です。青い部分が用意されている部分。赤い部分が自分で作らなきゃいけない部分です。

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 Salesforceは、SFAから始まった会社です。ある時、「SFA独自の部分を取り除いて、汎用的な業務アプリ基盤として使ってもらおう」と言って出したのがForce.comなんですね。だから最初から業務アプリに必要なものが揃っているというわけです。

 

他のPaaSは、普通は下から積み上げていきます。IaaSのようなシステム基盤がまずあって、データベースサーバ、アプリサーバー、というようにシステムを積み上げてサービスを成長させていきます。上からか、下からか、アプローチが違うということです。それがこの違いにつながっています。

 

こういう、業務アプリを作るのに特化したPaaSを、Application PaaSと言います。(この辺りは、私の上司の関のブログに記載) 2014年には、ガートナーがAPaaSのマジッククワドラントを出しています(下図)。 

 

 ただ、APaaSは、業務に踏み込んでいる分、業務アプリとしての「型」みたいなのがあって、そこから外れて何か開発するというのは得意ではありません。「型」があるからこそ生産性をあげているので、それは仕方ないですね。なんでも自由に作りたいということであれば、PaaSの方がいいです。だから、SalesforceもHerokuを持っています。

 

万能なツールは世の中には無いので、何が一番大事かを見極めて、うまくツールを選択したいですね。