コラボレーション・エンジニアの考える日々

企業での情報共有とコミュニケーションについて、ITを中心に企業コラボレーションを考えていくブログです。

魔法使いが教えてくれたApple Watchのキラーアプリ

私がApple Watchを使い始めて2週間経ちました。ワンタイムパスワードをさっと手首で確認できるのは早くて便利だし、時計画面には次の予定や天気やタイマーの残り時間が確認できて、さながら個人ポータルのようです。そのタイマー、私は時間を区切ることで仕事の生産性を上げようとしていますが、そこに活用できています。ワークアウトアプリでは、心拍数を確認しながらジョギングできて、無理なくランニング。RunKeeperや音楽再生も走りながら手首で操作。日頃はアクティビティアブリのおかげで、歩く時は早歩きになりました。そして一番の特徴である通知機能のおかげで、奥さんからの電話やメッセージに必ず気づくようになり、怒られることも少なくなったのです。

 

さて、私の会社の隣の席には魔法使いが座っています。この人は、Salesforceといろんなモノをつなげる魔法を知っています。Google Glass, ドローン、Pepper、レゴのロボット、その他いろいろなオモチャが転がってます。その魔法使いが「IFTTTでApple WatchをChatterにつなげられるよ」と、魔法が使えない私に教えてくれました。

 

IFTTT(イフトと読む)は、様々なWeb上のサービスを簡単に組み合わせられるWebサービスです。IFTTTは、"IF This Then That"の略で、つまり、「これが起こったら(トリガー)あれを実行する(アクション)」という指定をするだけで異なるWebサービスを組み合わせることができるIFTTTの特徴を表しています。

 

例えば、「指定時間の天気予報情報を(トリガー)、自分のGoogleカレンダーに入れる(アクション)」というような感じです。スマホとも連携できて、「最寄りの駅に近づいたら(トリガー)、通知を送って乗り過ごし予防する(アクション)」なんてのも出来ます。スマホGPSと通知サービスを組み合わせてるのですね。私はこれを利用して、「クリーニング屋に近づいたら、通知を送る」という設定を、引取がある日に設定しています。会社の帰りにクリーニング屋に寄ろうと思ってToDoリストに入れていても、いざ駅を降りると、仕事で疲れているせいか、そのまま家に帰っちゃうんですよね。でもIFTTTを設定することで、クリーニング屋に近づくと、Apple Watchがブルブルと振動して教えてくれるので、これから忘れることはなくなるでしょう。

 

IFTTTの凄い所は、非常に多くのサービスが対象になっているところです。今もどんどん増えています。各サービスはチャネルと呼んでいて、予めユーザIDとパスワードを指定(OAuthで認証認可)していおくと、そのチャネルが使えるようになります。今流行りのIoTなんてのも簡単にできます。例えば、自宅に近づくと家のライトを自動的にオンにするといった使い方です。

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Chatterもチャネルとして登録されています。さっきのクリーニング引取の例などは、事業所に出社したら、社員に「今日は避難訓練です」、「社食で特別メニューやってます」などのメッセージをApple Watchに送るなどというユースケースに発展できそうです。

 

また、IFTTTから”Do Button”というApple Watch対応アプリが提供されていて、ボタンを押すとトリガーを発生させてアクションを起こすということができます。お客様先にApple WatchでチェックインしてChatterで共有などということができますね。

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Apple Watchの特徴である、確実に通知に気付くという点と、iPhoneを取り出さずにすぐアクションできるという点を、IFTTTでもっと活用できそうです。

 

ただ、企業の本番利用では、セキュリティや安定性、サポートなどの点で問題になるかと思います。実証実験やデモなどで利用する程度に留めておいたほうがいいでしょう。Salesforceでは、Salesforce1モバイルアプリがこれからApple Watch対応になりますし、Salesforce Wear for Apple Watchというツールキットは既にオープンになっていますので、アプリを開発することが可能です。最近、デモムービーが出来ましたので、是非御覧ください。 

 

 

Apple Watchは、これから出てくるであろうアプリで、その価値がどんどん上がってくると思います。キラーアプリと呼ばれるものも増えてくるでしょう。IFTTTは、少なくとも私にとっては現時点でのキラーアプリの1つです。2週間経って、そろそろApple Watchに飽きてきたアーリーアダプターの皆さん、試してみる価値はありますよ。