Apple Watchの企業利用はどうなる?
Apple Watchが発売されましたね。おっさんばっか買っているという話もありますが、立派なおっさんの私も入手してみました。
何が便利って、会社のVPNをつなげるのが楽になりました。今年から会社のネットワークに入るのに2要素認証が必要になり、iPhone 取り出してSalesforce Authenticatorというアプリでワンタイムパスワードを入手しているのですが、このSalesforce AuthenticatorがApple Watch対応になって、いちいち iPhoneを取り出さなくてもよくなりました。まさに、Apple Watchのメリットとして言われていることが実現できています。
認証に関しては、心臓の鼓動でユーザを認証するというNymiというデバイスが登場していますが、Nymiが出しているプロモーションビデオを見ると、Apple Watchも数年後にはこうなるんだろうなと想像が膨らみます。
ただ、もう一つメリットとして言われている、”通知”はいまいちですかね・・・。今は粒度が粗すぎるんです。もっと、重要な人・コト・テーマだけに絞って通知を受けたいのに、現状は大雑把。そう思う人は多いと思いますので、そのうち各アプリ機能対応してくるでしょう。
とりあえず、今はiPhoneのメール設定で、重要な宛先をVIPにして、そこからのメールだけ通知をもらうようにしました。Salesforce1モバイルアプリについては、まだApple Watch対応されていなく、通知は通知センター経由で受けられるのみなので、内容が見えません。そこで、reply@chatter.salesforce.comをVIPに指定しました。これで、Chatterでメンションされたりコメントされたりした場合、メールとして確認できます。今年の秋には、Salesforce1モバイルアプリがApple Watch対応になる予定なので、それまではこれでやってみます。
さて、ウェアラブルデバイスのビジネス利用について、Salesforce Researchからレポートがでています。今年2015年2月27日~3月1日に、USの企業ユーザ1455人を対象にオンライン調査し、そのうち、既に使っているまたは使う計画のある500人を中心にまとめたものです。Apple Watchだけではなく、FitbitやGoogle Glass、Oculus Riftまで、広くウェアラブルデバイスを対象としています。
どれくらい企業で使う予定なのか?
79%の企業が戦略的に取り組むだろうと考えているようです。今後2年で3倍の伸びです。BYODを取り入れているところが先行するようですね。スマートウォッチの場合、確かに企業が社員に配布するというより、BYODの方がしっくりきます。Salesforceのような会社は、社員に配布しかねないと思いますが…。ともかく、普及はアプリ次第ですね。
ユースケースは?
社員向けには、手始めに、セキュリティアクセス、時間管理、コミュニケーション手段などから始まり、今後2年で、顧客データへのアクセス、リアルタイムデータ分析、ハンズフリー現場でのヘルプ手段、トレーニング(グラスを利用してトレーナーが何を見ているかを見せる)、ARでのガイド提供、社員健康管理、などが考えられているようです。顧客向けのB2C用途には、ロイヤリティプログラム、ポイントオブセールス、統合された購買体験、One to Oneマーケティング、など。
どんなウェアラブル・デバイスが使われる?
スマートウォッチが49%でトップです。その次に、グラスやストラップ。ストラップは、原文では"Lanyard"となっているのですが、恐らく、社員証がスマートになっていくということなんだと思います。私はこちらの方が現実的かなと思います。腕時計は趣味趣向が強いものなので、iPhoneのようには広まらないだろうし、それを社員に強制するというのも厳しい。であれば、Nymiのようなデバイスに社員証機能をつけて右手につけてもらうというのがいいんじゃないかなと思います。
課題は?
なんか沢山あるような気がしますが、レポート内では、ウェアラブルデバイスからのデータ分析と言っています。今後、ウェアラブルデバイスが発信するデータは加速的に増加していくでしょうから、そこから Actionable Insights をどう引き出して企業競争力向上につなげていくかと考えているということでしょう。日本だと、セキュリティとか労務管理とか、出来ない理由を先に考えがちですが、USは課題を前向きにとらえていますね。
さて、Apple Watchが先週金曜日に発売されて、今日が実質上最初の労働日。ネット上では仕事でApple Watchを使った感想が出てくることでしょう。まだまだアーリーアダプターしか使わない、いや、おやじしか使わない状況でしょうけれど、働き方を変えるインパクトを持ったデバイスだと思います。引き続き、”ウォッチ”していきます。